koyatenn
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画質マニアです。また音質マニアでもあります。 質感と立体の表現を好みCRT, 撮像管, 70mmフィルムなどの画を好みます。 普段はTwitterにいます。 LaserDiscを主とした…

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koyatenn Room
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その他 / その他 / オーディオ・シアター兼用ルーム / ~6畳 / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
主にLaserDiscを扱っております。 現在はLaserDiscをファイル化しPC Transportで再生するファイルベースのシステムの研究に注力しているため、その関係の機器が多いです。 …
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リタイミングの品質 -Compressor 3.5

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2021年02月12日

トランスコーダーであるCompressor 3.5にはリタイミング機能が搭載されフレームレート変換も行えます。
通常のフレームレート変換機能と異なるのはフレームレートを指定しての変換のみで無く再生時間を指定しての変換や指定したフレームレートで再生させる事を含めて実行可能であるという事です。

任意の再生速度で再生させるよう変換したり任意の再生時間になる様フレームレートを変換する機能は専用ハードウェアではVTRやディスクレコーダーでなくては実現出来ず、コンバーター, トランスコーダー類では実現不能な機能でしょうからファイルベースシステム, 汎用コンピューター向けアプリケーションである事を活かした機能といえるのではないでしょうか?

Compressor 3.5ではリタイミングでも動き補償技術を使用可能でジャダー, ティアリングや残像を発生させる事無くフレームレート変換を行う事が可能となっています。
動き補償技術はオプティカルフローとも呼ばれAppleはオプティカルフローと呼ぶ事が多い様ですけれどもAppleのオプティカルフロー技術は元々Shakeというデジタルシネマ, HDTVなど高解像度フォーマットのVFXをターゲットとしたデジタル合成アプリケーションで用いられていた技術だそうでCompressor 3の時からCompressorにShakeで用いられていたオプティカルフロー技術が持ち込まれた様です。

Compressor 3.5で選択可能なリタイミングフアルゴリズムには高速(直近フレーム), 標準品質(フレームブレンディング), 高品質(動き補正), 最高品質(高品質動き補正)が有り、高速(直近フレーム), 標準品質(フレームブレンディング)は従来型のリニア変換器で用いられていたシンプルなものでジャダーや残像の発生が問題となりますが演算負荷が軽く高速に変換可能です。高品質(動き補正), 最高品質(高品質動き補正)は動き補償を用いた高度なものでジャギーや残像の発生を防げる反面演算負荷が重く変換に時間が掛かります。動き補正と高品質動き補正の二つの違いは定かではありませんけれど恐らくはブロックサイズや検索範囲などが異なり実行精度に差が出るものではないかと思います。


私にとってリタイミングは本来あまり必要ではないフィルタですけれども先日述べた様にCompressor 3.5のi/p変換機能はフィールドレート等倍で出力させた時にテロップ輪郭などでフリッカーが目立つ問題という問題が生じる為、お茶を濁す目的で試してみる事といたしました。

比較的SNRの良いソースでのテスト
Combined with motion compensation frame rate conversion -525/60i to 1125/60p Up-Convert Test
↑i/p変換をフレームレート等倍出力で行い直接30p化したもの。
Combined with motion compensation frame rate conversion -525/60i to 1125/60p Up-Convert Test
↑i/p変換をフレームレート等倍出力で行いリタイミングの最高品質(高品質動き補正)で60p化したもの。
Directly 60p with deinterlace -525/60i to 1125/60p Up-Convert Test
↑i/p変換をフィールドレート等倍出力で行い直接60p化したもの。

比較的SNRの悪いソースでのテスト
MotionCompensation(30p) & FRC(to 60p) -LaserDisc Deinterlace test with Compressor 3.5
↑i/p変換をフレームレート等倍出力で行いリタイミングの最高品質(高品質動き補正)で60p化したもの。
Motion Compensation -LaserDisc Deinterlace test with Compressor 3.5
↑i/p変換をフィールドレート等倍出力で行い直接60p化したもの。

比較的SNRの良いソースでは動き補償が上手く機能するようでほぼ破綻無く綺麗に変換を行えている様に思います。
技術的に仕方がない事である事は承知した上でソースが持つ本来の動きのニュアンスを拾う事は出来ず元々とは異なるニュアンスでただひたすらに滑らかな動きとなってしまう点が迚も残念です。またソース起因のジャダーは消えずに残ってしまういます。
比較的SNRの悪いソースでは動き補償の精度が落ちるのか残像や像の歪みなどが度々目に付く様になってしまいます。

これらを踏まえるとフリッカー対策にリタイミングを応用する事が有効であるとも言えない様に私は思います。
また、ソースのSNRが悪い場合にリタイミングでの動き補償精度が下がる為か破綻や効果の低減が目立つ事からはデインターレースでの動き補償でも同様の事が怒ると考えられますのでそもそものソースのSNRを如何に確保するかがデインターレースのクオリティ向上に重要となる様に思います。

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