日記
オーディオの達人が認めた達人の話
2022年10月01日
14年ほど前の話です。
あるオーディオの達人から、オーディオ飲み会に誘われました。
私も含めて、4人でお酒を飲みました。
そこに来られていたのが、達人が認める達人でした。
讃美歌などを聴かせてもらうと、一瞬でその演奏現場にトリップできて、思わず拝みたくなるほどの再現率だとのことでした。
その達人はトークも面白く、中心的な立場でトークを回していました。
会話の中で気になったのが、登場する機器の値段が常に定価300万円以上するハイエンドでした。
当時、ハイエンド機器で固めていた私も、ある疑問が生じました。
「総額で家が買えるくらいの値段の機器でないと最高の音は出ないのか?。それはおかしいのではないか?」という疑問です。
私はありったけの勇気を振り絞り、穏やかで親密でフランクな口調で、達人にその質問を投げかけました。
達人なら、私の疑問を一瞬で解決してくれるかもしれない…そういう思いもありました。
一瞬で場が凍り付きます。
プライドの高い達人の目付きは険しくなりました。
そして達人は怒りを噛み殺すように静かな口調で私に言いました。
「君は音楽への憧れが足りない」
その答えは私を納得させるものではありませんでしたが、14年経ってもはっきり覚えていますので、私の心には刺さったのだと思います。
以降、私はマネーパワーでは負けても、音楽への憧れや情熱では負けないようにしようと思っています。
レス一覧
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KIMURAさんの日記も面白いですね。
私の中では、同じ職人オーディオの仲間だと感じています(失礼)
Auro-3Dさんの日記に書き込みました下記のことです。
職人オーディオ・・・
情報オーディオ・・・
理論オーディオ・・・
その他にも
金満オーディオ
なんて括りもありそうだと、日記を拝見して思いました。
自分もどうしたらよい音が出せるのか?と長い間彷徨っていました。
・オーディオショーやショップに行って、億を超えるシステムで聴いても大したことがない
・安いシステムで聴いてもビビッと来るような音に出会うこともある
・自分のシステムのコンポーネントの一つづつを3倍3倍の値段のものに買い換えていっても、それほど大きな変化は感じなかった
↓
・だから部屋だ!と一時は本気で思いました。
ですが、その先も進んでいくと、
・セッティングの大事さ
・電源、音響、振動対策の影響度 など
◆TOTALの追い込みでしか、求める音には至れないのだ!
との結論に至りました。
音楽への憧れや情熱も大事ですね。
それは「求める音」が何であるかを創造するために大事なことだと思っています。
そのために、音楽での感動体験が自分の財産になると感じています。
追伸
何だかこのところ、またオーディオに惹かれて来ています。KIMURAさんの日記やAuro3Dさんの日記やベルイマンさんとbb7さんのやり取りが楽しくて・・・明日から立ち稽古で時間がないのに、どうにかしてくれ~~~
byヒジヤン at2022-10-01 15:36
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ヒジヤンさん、こんばんは。
「職人オーディオ」…私は確かにそんな感じです。
「TOTALの追い込みでしか、求める音には至れない」…本当にそうだと思います。
とにかく貪欲に色々試しています。
「渇望」も大きな原動力になりますよ!
私にとって良い音とは「演奏現場や収録現場にトリップできるような音」、「心に響く音」、「胸に迫る音」で、「没入感」、「没頭感」を大切にしています。
私は流儀や流派などのこだわりはあまりなく、感動できる音が出れば、それで良いと思っています。
byKIMURA at2022-10-01 20:51
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KIMURAさん こんにちは
人に褒められると嬉しい、みんな俺を褒めてくれ。みたいな?人は、確かにいらっしゃいます。疑念を呈すような事を言うと脊椎反射されてしまう。疑念に対しては理路整然と解説し、教えてもらえると、聞いたこちらも嬉しいのですけれども、得てしてそういう親切な人は少ないです。
私は功を焦って、高校生の時分にはアルバイトをしてスピーカーやらアンプを買ったものですが、今思えばその時間を大学に進学するための勉強をしておれば?いまの収入も増えてもっとオーディオできただろうな、とは思います。長い目で、人生を見れていなかったです。
まぁ、後悔先に立たず。置かれた場所で咲きなさい(渡辺和子著)でも読んで、自分を慰めるべきか。お花って、人間にでいえば生殖器なので、とてもエッチです。よく、肥料と日光を十分に与えてあげるほど?綺麗な花を咲かせると思われがちですが、それをすると葉や体型がガッシリするだけで次の世代を残そうとするお花は・・・別に? 死の恐怖、たとえば極端な乾燥とか飢餓を体験させると、お花が沢山とかいうお話が。知らんけど。 吟醸酒の製法も、米のミネラルやタンパクは外周部に多い事からコメを磨き、酵母には殆ど糖ばかりの・・・偏った栄養条件を、与えて、さらに低温。酵母にとっては生きるかか死ぬかの極寒条件下に置く。そうやって過酷な環境下に置くと、普段は使っていない呼吸のための非常回路?が動き出して、その結果、吟醸香が多量に生まれるのだとかなんだとか。
回りくどい書き方をしましたが、オーディオ中間との軋轢が生じようが、思うようにオーディオ機器を購入できなかろうが、それらは良い音へ到達する『過程』であろうと考えれば気が楽になります。
失敗せずに成功だけしたいなんて・・・神様が許しませんものね?
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bynightwish_daisu at2022-10-02 17:44
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nightwish_daisuさん、こんばんは。
この達人の方はゴールドムンドユーザーで、ゴールドムンド事件のすぐ後だったことも影響しているかもしれません。
私としては、「音が良ければ値段は関係なし」くらい回答の方が腑に落ちたかもしれません。
私は七転八倒した方が、良い音が出た時の感動は大きいし、七転八倒した人間にしか辿り着けない到達点があると思っています。
そういう意味では、「君は音楽への憧れが足りない」は、私にとって良い喝になったような気がします。
byKIMURA at2022-10-02 18:12