日記
K&K邸訪問
2020年10月27日
過日、人生初の「オフ会」として、K&Kさんにご自宅でお会いしました。訪問記を書くのがここのコミュニティのマナー(?)のようなので、手短に。
「手短に」というのは、K&Kさんのシステムや音が簡単に記述できるという意味ではなくて(汗)、まず、訪問の目的の一つが、前の日記に書いた「K&Kフィルター」の受け取りとその説明を受けることであったこと。次に、数か月前に自宅のシステムからCD/SACDプレーヤーを失くしたため、試聴用に持参するディスクがほとんど無かったことから、「丁寧な、気合を入れた」試聴、とは今回はなっていないからです。
と、前置きをしたうえで、そもそも初めてなので勝手がわからず、写真の一枚も撮っておらず(翌日拙宅にお見えになったK&Kさんは、しっかり写真を撮ってお帰りになった)、以下、文字のみで失礼します。
お部屋と機器と、そのレイアウトは、恐らく、K&Kさんの「マイルーム」のほぼそのままだと思います。
で、ここでまたまた人生初の「石井式のオーディオルーム」「ヴァーチカル・ツインシステム」「チャンネル・ディバイダ―システム」を体験しました。ここまで初物尽くしですと、比較の対象となる試聴経験が自分の中にないので、おのずと比較対象の一方は自分のシステムとなってしまうのですが、これはかなり機器も部屋もアプローチも異なるので、いわばラーメンとうどんを比べるような感じとなり、適切な表現が難しいのです。
でも敢えて書けば、2chに関しては、拙宅のAmator IIIに比して、1.脚色のない音、2.ボーカルが遠め、3.ボーカルが若め、4.ボーカルの口が大きめ5.音の高さを感じられる―という印象を持ちました。
1点目については、プリアンプを使っておられないことと、ネットワークも介されてないということで、本当に素の、純粋な音が出ているなという印象を持ちました。個人的にはプリアンプ肯定派で、プリアンプにきれいに化粧を施してもらった音が好きなのですが、ピアノの音に関しては、クリーンでクリアで、自分のシステムとはまた違った音ですが、とてもいいなと思いました。
2点目については、Amator IIIはよく歌うSPなので、昔の日本製の生真面目に作られたSPより「迫ってくる」感が強いのでしょう。
3点目については、Oppoの205をDACやプレーヤーとしてソースの源流として使っておられるので、205の音の影響が強く出ていると思います。元気で、タイトで、若々しい。オーディオ界の「青年」ですね(笑)。
4点目は、理由を素人的に考えれば、片チャンネルのツィーター2つVS1つ、であることと、もう一つ考えられるのは、リスニングポイントのソファの後ろに、窓が迫っている、つまり、リスニングポイントの後ろの空間が少ないことが影響しているのではないかと。前者はいくら仮想同軸とはいえ、2割る2が、1単体に比べて「1である感」が劣るのはやむを得ないでしょう。後者は、よくオーディオのセッティングではスピーカーの前後左右の空間を空けることが重要と言われますが、実はリスニングポイントの前後左右の空間を空けることも大事であることを短くないオーディオ経験上知っています。音が乱反射しますから。
5点目については、2chなのに、「今、上に設置してあるSP鳴らしてますか?」と聞いてしまうソースがありました。これはすごい。うちのAmator IIIには出せない音場感でした。なぜこれが出せるのかは、私にはわかりませんが(泣)。
次に、4chサラウンドを聴かせていただきました。これは「自然」な感じが素晴らしかった。4chだぞ、というあざとさがない。さすがに4ch同じスピーカーを使っているだけあるなと思いました。位相(最近、悩み深いコトバ…)と音色がそろっていて、サラウンド再生であることを忘れそうなぐらいでした(ちなみに、4chにすれば、後ろの窓の影響はほとんど無くせます。「きれいな反射音」をサラウンドSPが作れるからです)。
最後に、Atmos映画を観させて(聴かせて)いただきました。戦闘シーンの多い場面の視聴でしたが、このソースですと、さすがに拙宅に比せばSP数の違いの差がもろに出て、多勢に無勢ではあります。ただ、さすがに、あのサブウーファーはタダものではないぞ、という片りんを感じられる、LFEサウンドを堪能しました。「サウンド」というよりは、空間の空気を動かしてましたね(笑)。
もし、お邪魔する機会がまたいただけたら、今度は自家薬籠中の物としているソフトを持参してみたいと思います。
K&Kさん、ありがとうございました。奥様とのピアノ談義なども興味深かったです。よろしくお伝えください。
レス一覧
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Auro3Dさん、
先日はありがとうございました。
これ程分析的な訪問記は今までいただいたことがないような気がしますのでこれも大変感謝しています。
自分の音は客観的には聞けないので非常に参考になりました。
ただ、ボーカルの口の大きさは自分ではそれほど大きいと思っていなかったのでちょっと意外でした。
もしかするとリスニングポイントでの耳の位置の高さの違いかと思いました。
ウチのバーチカルツインの方法ではリスニングポイントの高さによって音の変化が大きいのが泣き所なのです。
上背のあるAuro3Dさんの聴取位置は私より高そうなのでそのせいなのかなと思ったりしました。
スピーカーの位置調整がずれていた可能性もあるので、もう一度確認してみます。
今回はそんなに長時間の滞在ではなかったのにすべて見透かされてしまったみたいでちょっと怖いです。
おっしゃるとおりウチは温度感の低い、よく言えば純粋ですが、悪く言うと全く味気ない音なのですが、この傾向は私の好みなのです。
フランス印象派やストラヴィンスキー、バルトークなどの近代ものを好んでよく聴くせいかもしれません。(笑)
今回の相互訪問ではAuro3Dさんとお知り合いになれたことが一番、そしてあのフィルターがうまく動作してホッとしたこともありますが、Auro3Dさん宅の音にすごく刺激を受けましたので私にとっては非常に濃い2日間になりました。
これについては別途記事にするつもりです。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
byK&K at2020-10-27 22:52
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K&Kさん
コメントありがとうございます。先日も言いましたが、私はオーディオに関してはこれまでショップ以外他流試合をしたことがなく、今回が初めてです。それゆえ、私の感じた印象は普遍性がなくドグマチックであるという自覚がありますので、あまり参考にはならないと思います(汗)。当初は日記に書くことすら憚られたのですが、他の方が書いている内容が興味深かったので、自分も書いてみようと勇気を奮いました笑笑。
> ウチのバーチカルツインの方法ではリスニングポイントの高さによって音の変化が大きいのが泣き所なのです。
これは私も指摘しようかと思ったのですが、さすがにK&Kさんは自覚的でしたね。上下のツィーターのど真ん中に耳が来ないと、音の到達時間がズレるので2/2=1のフォーミュラが完成せず、縦長の音像になるはずです。おっしゃる通り、私の座高が高く、ピンポイントを外していたのでしょう。私が最初に、「音が低いところから出ている感じがする」と言った時、すでに高さ問題が出ていたのだろうと今になって思いますが、今度伺う機会があれば、耳の高さに気をつけて聴かせていただきたいと思います笑笑。
> フランス印象派やストラヴィンスキー、バルトークなどの近代ものを好んでよく聴くせいかもしれません
これは全くよくわかります。私は守備範囲がバロックからロマン派までなので、ソナス派なのでしょう。自分の聴きたい音楽が一番「いい音」で鳴るように、皆さんそれぞれ工夫されていると理解していますので、「違い」は優劣ではなく、文化相対主義的なものだと思います。
拙宅の音、音像、音場は今度のスピーカー入れ替えでまた大きく変わると思いますので、これに懲りず、是非またいらっしゃってください。
byAuro3D at2020-10-28 00:22
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K&Kさん
ちょっと気になったので、追伸です。
>ただ、ボーカルの口の大きさは自分ではそれほど大きいと思っていなかったのでちょっと意外でした。
>スピーカーの位置調整がずれていた可能性もあるので、もう一度確認してみます。
実は、先ほど、ちょっと時間ができたので、K&Kさん宅を訪問した、諸先輩方の「歴代訪問記」を少し探して読んでみたのですが、確かに皆さん、定位感をほめておられますね(笑)。幸いというか、私は新参者なので、これらの「日記」は読んでいませんでしたから、ある意味では、「予断」なく臨めたとは思いますが、まあ、私の耳が駄耳である可能性ももちろん否定できません(汗)。ただ、試聴の途中で、私が、「このツインを、どちらか一方だけで聴いたことがありますか?」と伺ったと思いますが、その時からツィーター4つのシステムの、定位についての関心が私の中にあったのは事実です。
その時はさすがに、初対面で厚かましいと思いましたので、申し上げませんでしたが、もし、ご興味があれば、上下どちらかのSPケーブルを外して、適切な耳の位置で聴いてみていただけませんでしょうか。それでもし、定位感が全く変わらないのでしたら、K&Kさんのバーチカルツインは完璧です。
私は個人的には、定位感を追求するならフルレンジのシングルスピーカーに勝るものはないと考えており、その信念からセンタースピーカー必要派なんです(笑)。その意味で4つのツィーター・スコーカーが、一つの口をきれいに形成できるのか、とても関心があり、そのノウハウをご教示いただきたいと思っています。
手間のかかる実験ではないと思いますので、是非、お試しいただき、参考のため結果を教えてくださるとうれしいです。
byAuro3D at2020-10-28 17:42
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Auro3Dさん、
こんにちは。
Auro3Dさんが提案されている意図がいまいちよくわからないのですが、とりあえず下側のSPだけで鳴らしてみました。
周波数特性上のバランスをとる意味でスーパートゥイーターは3dB減、全体のプリのゲインは3dB増しです。
試聴ポイントは変えていません。こうしないとタイムアライメントが崩れてしまうからです。
結果は下側のスピーカーだけなので、やはりボーカルの位置は下がりますが定位感はそれほど変わらない感じでした。
ただ、音のくっきり感はバーチカルツインの方がこころなし上のような気がします。
これが定位の差から来るのかどうかはよくわかりません。
ウチのシステムのフロントスピーカーの歴史は
1.HS-500をシングル
2.HS-500のバーチカルツイン
3.HS-500のバーチカルツイン+スーパートゥイータ上乗せ
4.HS-500のバーチカルツイン+スーパートゥイータ中央置き
(完全仮想同軸)
なのですが、変更時に定位が変更前に比べて悪化したと感じたことはことはありませんでした。
特にスーパートゥイータを上下のセンターに持ってきたときには明らかに改善された印象を持ちました。
今の状態が完ぺきとは思っていませんが、まあまあだと考えています。
byK&K at2020-10-29 16:26
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K&Kさん
小生の思い付きを早速実施いただいたようで、恐縮です。
そうですか、大差なしですか。それはやはりよほど、きっちりと調整ができているのでしょう。
是非、そのコツ(何せ、Amator IIIはともかく、拙宅のSonettoVIII の定位感のなさ、口の大きさは気になっており、何とか手を打ちたいのと常々思っているので)を知りたいのですが、またまた、素人の私には難しい言葉が出てきました(笑)。
「タイムアライメント」-どうやらこれがカギを握っていそうな予感がします。今度、お会いする機会に、またご教示ください。
byAuro3D at2020-10-29 17:03
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