日記
ifi Neo iDSDを視聴
2021年08月19日
6月中旬にデモ機の貸し出しを依頼していたifi Neo iDSD が届きました.
もう,すでにDACは買ってしまったのだけど….でも,当然興味はあるので,接続して聞いてみました.
ifi Neo iDSD
感想としては,大きく2つです.
1.ストリーマー Node 2i のMQA デコーダーよりも,Neo iDSD のデコーダーの方が優秀だと思いました.Node 2i をスルーして,Neo iDSD でデコードさせた方が,一聴してよいことが分かります.
自分が持っているTEAC UD-505 にはMQA のデコーダーは付いていないので,やや残念な気がします.でも,逸品館のYouTube 映像を見る限り,UD-701n を買う気にはならないな.音の差が価格差に見合わないように思うので.
2.Neo iDSD の音自体ですが,Tidal で再生してみると,クラシック音楽には不向きだと思いました.
まず,低音があまり出ない.電源ケーブルが小さい丸いタイプのものなので,別のケーブルに差し替えて変化をつけることがほとんどできそうにありません(同社のiPower 2が推奨されているようですが,低音が出るかはわかりません).私の UD-505 にはFurutech のEmpire が挿してあるので,差は歴然としています.低音が出ないので,余裕がない感じの音になります.
そして何より,音に癖がありすぎる気がします.癖がないのが売りのようではありますが,UD-505 と比べると,中域が厚めで輪郭が出る感じ.それだけだと,よくある感じの説明に思われるかもしれませんが,結構癖が強いと思いました.イメージ的にいえば,カメラでミニチュアモードで撮ったような感じ.音がデフォルメされすぎていると思いました.グールドの「ブランデンベルク変奏曲」がトイピアノのように聞こえ,アバド指揮ポリーニのベートーベン「皇帝」も同様でした.ピアノの質感に問題があるように思います.弦楽四重奏なんかも,中域が膨らむけど,倍音が抑えられており,低音は弱いので,魅力に乏しい音だと思いました.さらに,Muti の「ローマの松」の2楽章もオルガンのペダル音が入るところから,音場が上下方向に伸びて奇妙な感じになってしまいました.一方,ジャズボーカルとか,ギターのデュオ(Jim Hall & Pat Metheny)とかは,悪くなかったです.
ともあれ,10~20万円くらいのクラシック向けDACという点では,TEAC UD-505 はよい選択だったと再確認できました.