日記
スピーカーマトリックス
2011年10月21日
以前から興味があったスピーカーマトリックスについて改めて取り上げたいと思います。
(参考URL)
スピーカーマトリックスとは、↑のような配線にすることで、サラウンド再生する手法です。
ステレオ2ch分のスピーカー出力から接続するため、ステレオアンプでもサラウンドが楽しめます。
著名なオーディオ評論家である故長岡鉄男氏の影響で、それなりに知名度はあるようです。
また、この方式は、2chソースを自然にサラウンド化できる手段という理由で支持する方もおられます。
その点が非常に気になっていたので、今回試してみることにしました。
しかし、スピーカーマトリックスによるサラウンドは、アンプの構造によっては使えないそうです。
アンプの構造は、アンバランスであることが前提です。
アンバランスでないアンプ 例えばBTL出力であったり、バランス出力で、マイナス端子側がアースでないアンプでは、この接続を行うと回路がショートしてしまうとか。
バランスアンプというのは、上級機に多い方式です。かつての山水製のアンプには、かなりの割合でバランス出力の回路構成が採用されていました。
BTL出力というのはデジタルアンプに多いようです。
お手持ちのアンプがアンバランスであるかどうかの確認方法として、以下の方法が判明しました。
教えて!gooのこのトピックによると、
>アンプのシャーシとスピーカー端子間の電圧をアンプに何か入力し出力がある状態で測定
>し、スピーカー端子の+・-のいずれの端子を測定しても電圧が同等に計測される場合はBT
>Lであると判断してほぼ間違いないでしょう。
とのことです。
また、スピーカーを繋いで確認する方法もあります。
アンプのマイナス側に、マトリックス接続のリアスピーカーと同等の配線でスピーカーを繋いで音が出なければアンバランス出力なので使っても基本的には問題無いということです。
前述の図が参考になります。
フロントスピーカーの配線は繋がず、-端子から、リアスピーカーにあたるそれぞれの-端子に繋ぎ、リアスピーカーの端子は、-同士ではなく+端子を結線することになります。
手持ちのパワーアンプ(ALESIS RA150)は、スペックシートにはブリッジモノ時の出力があるということから、アンバランス出力であることは想像がつきましたが、念のため先程のスピーカーを繋ぐ方法で確認したところ音が出ませんでした。
SHARPのミニコンポ SD-CX9は「1bitデジタルアンプ搭載」を謳っており、デジタルアンプのため、BTLの可能性が高いですが、実際はどうだろうと思って同等の確認を行ったところ音が出たのでBTL出力のようです。
ちなみにBTL出力でないデジタルアンプもあります。
ビクターのデジタルアンプ DEUS方式の解説図では、スピーカー端子の-はアースに繋がっているのでBTLではありません。
同社のAVアンプ AX-D311がこの回路構成を採用しているようです。
ただ、DEUS方式のデジタルアンプでも、機種によってはBTL方式が採用されているかもしれません・・・
他に、スピーカーマトリックス方式の問題点としては、
・基本的なマトリックス結線では、リアスピーカーの音量を調整できない
この点に関しては、アンプをもう1台用意して、フロントとリアを別々のアンプで鳴らすという方法があります。
ただ、今度はフロントとリアの音量を同時に調整できないという問題がw
解決策としては、セパレートアンプであれば何とかなりそうです。
プリの出力を分岐して、フロント用、リア用それぞれのパワーアンプに繋げれば良いかもしれません。フロント、リアそれぞれの音量を調整し、バランスをとるためには、ボリューム付きのパワーアンプが望ましいです。
ALESIS RA150で行っても問題が無さそうだということが判明したので、試してみました。
リアスピーカーはCLASSIC PROのEX-10Mを使ってみました。
能率が高く、フロントスピーカーとの能率差が小さいので。
サラウンドだけあって音の広がりは当然アップします。
やはりAVアンプで2chソースをサラウンド化するより自然です。2chソースをそのまま再生したときと比べると、定位感が劣ってしまうのは仕方ないですが、AVアンプによるサラウンド化と比べると、音の分離が低下しにくい気がします。
結論としては気に入りました。
ただ、元ソースが2chであるものをサラウンド化する以上、ソースによっては不自然さも感じられることもあるので、常用する場合、簡単に2ch再生と、マトリックス4ch再生を切り替えられるよう工夫するなど、今後の課題にも気づきました。
やはりアンプを2台使うやり方も試すべきかもしれません。
スピーカー出力の切り替えスイッチが付いたアンプだと、リアスピーカーのON/OFFは簡単にできます。
A/B/A+Bという切り替えが出来る場合、A端子にフロント、B端子にサラウンドを繋ぎ、ステレオ再生時はA、マトリックス再生時はA+Bという使い分けができます。
そして、スピーカーは音色、能率が揃っている事が望ましいので、出来ればFEシリーズのフルレンジユニットを搭載したリアスピーカーも作った方が良さそうです。
レス一覧
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オタ麿さん、はじめまして
スピーカーマトリックスを見事に把握されていますので、感心しました。
>AVアンプによるサラウンド化と比べると、音の分離が低下しにくい気がします。
そこなんです。私もスピーカーマトリックスを試したところ、下手なAVアンプの擬似サラウンドより音質がよいのです。音量調整は、提案されている方法で何とかなるでしょう。
私は今5chシステムにフロントハイトスピーカを付け足ししているのですが、フロントハイのchを、リアchのマトリクス結線で供給しています。つまりリアchのマトリクス成分をフロントハイに入れて聴いています。ドルビープロロジックIIzの擬似フロントハイchも、AVアンプの中で、同じ原理で作っているようです(ただスピーカ出力のところでなく、プリアンプのところで作るようです)。http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0907/09/news063.html
by何も聞こえなくなった at2011-10-21 22:52
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なつかしいなー。
昔のアナログAVアンプは残留ノイズが酷くドルビーサラウンドで再生するよりマトリックスのが自然でした。
あれ、どういった接続していたかなー?
20年以上前なので忘れました(^^;
ただそんないいアンプは必要ないですがリヤ用アンプは使っていたなー。
ドルビーデジタルが出るまで使っていましたが、今使うとなるとどうなんでしょうねー。かえって新鮮かも(笑)
byVOTTA7 at2011-10-21 22:59
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>何も聞こえなくなったさん
スピーカーマトリックスについては、以前から関心があったので情報を集めていました。
やはりDSPを用いない分、音の鮮度では有利と言われますが、実際やってみて実感できました。
私のシステムだと、幸いセパレートアンプなので、プリの出力を分岐し、リア用のアンプを追加すれば音量調整の問題は解決できます。
サラウンドのシステムで、ch数を更に増やす手法としてもスピーカーマトリックスは有効ですね。ドルビープロロジックIIzの擬似フロントハイchも同じ原理ですか。参考になりました。
byオタ麻呂 at2011-10-21 23:18
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>VOTTA7さん
昔のAVアンプはノイズが多い上に音が悪かったという意見はよく見かけますね。
今でも、2chソースをサラウンド化する手段としては有効だと思います。
あと、私の場合は手持ちのパワーアンプを使いたいですが、安いAVアンプだとプリアウトが無くて繋げられないので、AVアンプを使わなくて良いスピーカーマトリックス方式は経済的で良いです。
byオタ麻呂 at2011-10-21 23:32
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オタ麻呂さん
私もTV用はマトリクスサラウンドです。
昔、AVフロントで、長岡先生から直伝されました。
フロントはTV左右に各1、サイドは左右斜め前に各1、リアは背後に左右各1です。
50インチクラスでアニメ対応だと、この配置が良いかなと思っています。
2chでもアニメとかだと、背後のドアが開くシーンとかで、
逆相(なのかな?)で音声が入っているものが多く、
背後からちゃんと音がして、気持ちいいですね。
長岡先生にはアンプはBTL可能なものなら使えるものが多いということと安いアナログアンプは回路がシンプルなので効果が高いとお聞きし、いろいろ試してみました。
昨年までは、B-3(ヤマハ)だったのですが、流石に調子が悪くなってきたので、今は安いシンプルなアンプということで、STR-DH100(ソニー)を使っています。
プリアンプでマトリクスにして、各スピーカーを各々のパワーアンプで駆動できればなお良いと思っています(ダイナコ方式?)。
byかんせんちゃん at2011-10-22 11:01
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TV用にマトリクスサラウンドというのは良さそうですね。自室にTVが無いので、TVも欲しくなりました。
元が2chでもソースによっては意外とサラウンドになりますね。
プリアンプの段階でマトリクスにできれば良さそうですね。ダイナコ方式ということは、そのような機材が商品化されたことはあるのでしょうか?
手持ちのアンプだと、RA150以外はデジタルアンプで、BTL出力なのでマトリックスできないということもあり、買い足すつもりでいますw
byオタ麻呂 at2011-10-22 13:33
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オタ麻呂さん
テレビ用にマトリクスサラウンドはAVアンプを使わない場合の現実解だと思います。
1980年ぐらいにはテレビやラジカセに音に広がりを持たせるマトリクス機能がついていましたが、音が濁る感じがあり、音場も不自然で、スピーカーマトリクスの方が圧倒的に上でしたね。
長岡先生の著書で、このマトリクス方式をアンプで行ったのがダイナコで、この考えを導入したような記載をされていたと思います。長岡先生はそれをスピーカー配線に置き換えて色々実験されたのだだと思います。少し調べたことがあるのですが、ダイナコのどの機種なのか特定できませんでした。
今だったら、マトリクス方式をデジタルで低ノイズ且つHiFiでできる筈ですので、AVアンプで実現して欲しいですね。パワーアンプはディスクリートで6ch駆動してみたいと思っています。
byかんせんちゃん at2011-10-23 21:42
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オタ麻呂さん
以下とすると後方も分離し良好にデコードできます。(一寸見易く修正しました)
8Ωのスピーカの時、
L R
│ │
├─┐ ┌─┤
│ | | │
8Ω LB RB 8Ω
│ | | │
└─┼ 4Ω ┼─┘
| |
LF RF
| |
G G
byナショナルキッド at2016-06-30 11:47
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