キングジョー
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ずっと音楽好きでしたがオーディオに力を入れだしたのはわりと最近です。音楽はまず何と言っても「表現」ですが、同時によい「音響」で聴けるなら歓びもひとしおです。よい表現をよい音響で、がモットーです。よろし…

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持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音あり / スクリーンなし / ~2ch
大学に入りたてのころ、ひょんなことからカセットウォークマンを手に入れました。そこで「まあ有名なもんだし一回くらい聴いとくか」ということでベートーヴェンの交響曲第5番(たぶんカラヤン/BPOの70年代全…
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レビュー/コメント

TC 70X
PIEGA
TC 70X(TCシリーズ)
¥1,680,000(税込)
発売:2006年6月8日
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PIEGA TC70X

経験未熟な者によるごく主観的なレポートではありますが、愛機PIEGA TC70Xについて何点か書かせていただきます。

まず外観ですが、これは私がこの機種にひきつけられた大きな要素の一つです。余分なものをそぎ落としたミニマルなフォルム。一見素っ気無いのですが、質感は安っぽくなく、丁寧なヘアライン仕上げと押し出し成形の持つ独特の密度感が、アルミから連想される軽々しい感じを追放するのに成功しているようです。初めて見たとき、ああこういうのを自分の部屋に置いてみたい、と思いました。


音の特徴としては、まず情報量が多く、音像を描き出す能力が高いのにも関わらず、あまり分離「感」が強調されないという点があげられます。音のまとまりがいいのです。高域~低域のつながりがスムーズで、かなり近づいて聴いてもバラつきません。高域中域が同軸だから当然なのでしょうが、全帯域が一つのユニットから出ているような印象さえ与えます(グリルをつけると視覚的にもその印象が強まります)。細かい音を生真面目に再生するにも関わらず、それがモニターライクに印象につながっていかないのは、まずこの音のまとまりの良さから来ているのでしょう。

次に目立つのは、その音の出方です。うまく説明できないのですが、音がユニットから出ているという感じではなく、光で立体投影するかのように音がスピーカーから離れてバッと現れるような感じです。立体的なイリュージョンがスピーカー間にきれいに描かれ、音を「聴かせる」というよりは「見せる」という印象を与えます。その反面、かなり大音量にしても、空気を揺さぶって音のエネルギーを送り込んでくるような感じは希薄です。音のエネルギーを浴びるのではなく、精緻な絵を見せられるよう。音場もスピーカー間に一線を引いてその後方に広がっていきます。リスナーに襲いかかって巻き込んでいくような熱さというのはこの機種からは得にくいのかも知れません。その代わり、再生を開始すると何もない場所からイリュージョンがすっと現れる様子はいつ聴いても軽い感動を覚えます。

音の質感は、よく言われるように「ナチュラル」で「スムーズ」です。風味はあっさり味。この機種の音を指して「ストレスフリー」と言う評語を見たこともありますが、うべなるかなといったところ。ただし「美音系」かと言われると、個人的にはそうではないように感じます。聴きづらい音、キツい音がある場合は、包み隠さず色も付けず聴きづらいまま、キツいままに出してきます。古い録音・ショぼい録音も、スピーカーのほうで適当に料理してくれるというようなサービス精神はないです。またノイズをノイズとしてはっきり出してきますので、聴いていて驚かされることがしばしばあります。私は結構録音の悪い(?)ものも多く聴くので、音楽を聴いていて「何この音!?」と驚かされ、ヘッドホンでチェックしてみると確かにソースに入っていた、ということがかなりの頻度であります。この辺はHi-Fi機器としての頑固さが垣間見え、この機種を単に「美音系」と言うのをためらわせます。

またデザインを見るとリボンとウーファーとのつながりがどうか? 質感にバラつきが生まれるのでは? と思われる向きもあるでしょうが、鳴らし始めは多少そのような感じはありまして、中高域の明瞭さに対してどことなく低域がもたついている感じはありました。ただその印象は三ヶ月を超える頃にはかなり薄れ、さらにプリアンプをC-2410にしてからはすっかり消え去り、個人的には不満のない水準に達しました。MOMテクノロジーというものがどういうものかいまだによくわかっていない私ですがw、リボンとの調和性や、低域の描写能力はとても優れたものがあると思います。ただ迫力とかエネルギー感を伝えるようなものではないですから、そこはご了承を。

以上からも想像していただけるかも知れませんが、定位の良さには素晴らしいものがあります。ただその分セッティングにはシビアです。PIEGAはバッフル正面をリスナーと正対させるのを推奨していますが、さすがにユニットが平面型だからか、スィートスポットは比較的狭いようです。ちょっと動くと楽器の定位などはコロコロ変わります。ただ音像がぶっ壊れるというのではなく、立体を別の角度から見るという趣ですので、個人的にはあまり気になっていませんが、これにはライヴな私の部屋の影響も大きいように思っています。いずれにせよ、導入される際はこの点を念頭において設置レイアウトなどお考えになるとよいでしょう。

ちなみにインピーダンスは4Ωとなっていますが、最低インピーダンスは4を切り3.8Ω(123Hz)まで行くようです。ほとんどのアンプで問題は発生しないだろうとは思いますが、アンプ合わせの参考までに書いておきます。

このスピーカー、カタログだけ見ていると値段の割には軽いし、小さいし、アルミだし、…というので偏見を持たれる方もいるかも知れません。かく言う私もそうでして、同価格帯の802Dは80kgくらいあるのにこれはその半分もないなんて! しかも一回り小さいし! という懸念?がありました。「軽かろう悪かろう」という固定観念というものはあるものです。ただ近くで見たり軽く叩いてみたりするとわかりますが、つくりは本当に強固で、音に癖らしいものが全然乗ってこないところをみると、なるほどこれで十分なのかと納得させられます。このクラスのスピーカー選びに迷われている方は、ぜひ一度ご試聴・ご確認いただきたいですね。
以上、さまざまなことを書きましたが、実際は暑苦しいもの/クールなもの、録音の旧いもの/新しいものを問わず、何でもこの機種にかけて楽しんでいます。

レス一覧

  1. byそねさん at2008-01-06 01:27

    キングジョー様
    素敵な表現でTC70Xが紹介されて、私のオーディオ・キャリアではこのような表現は困難なので、大変嬉しく思います。少しだけ私も感想を。

    >「まず外観ですが」、仰る通りと思いました。アルミボディもあって、内容積は意外とあるのではと思っています。
    >「音の特徴」「音の出方」は、音離が良いと言うのでしょうか、スピーカーが鳴っているという感じではないですね。空間再現性はかなり高いのではないでしょうか(今のレイアウトにしての個人的感覚ですが…)。「かなり大音量にしても」残念ながら未体験です(悲しい…)。
    >「音の質感は」、分解能や透明感や良く伸びる音といった基本性能が高いので、これに私好みの味付け(音の瑞々しさや艶やかな質感)を安心して追求できます。鈍重さや硬さとは無縁のスピーカーと思います。
    >「またデザインを見ると」、そうですか、C-2410との相性は良いんですね、貴重な情報です!
    >「以上から想像していただけるかもしれませんが」、そうなんです、定位は素晴らしいものがありますね。音離れの良さもあってか、ヴォーカルが真中にスポッと立ち上がる様は、初めて聞いたときは感動ものでした。私の場合はスピーカー設置角度は多少内振りにしている程度ですが、この程度の方が私の比較的小さな音量でも音場感が良く、音響ボードのお蔭もあってか、中抜けもなくセンター定位もバッチリです。

    大変勝手なお願いではありますが、これからも沢山の素敵なレポートをよろしくお願い申し上げます。

  2. byキングジョー at2008-01-06 23:09

    >そねさん様
    フォローありがとうございます。基本的な印象がくいちがっていないようで、ちょっと安心しています。そう、「音離れ」ですね、これが異様にいい!なんというか、外観の印象と音の傾向があまり食い違わないスピーカーだと思います。
    C-2410ですが、果たして「相性がいい」のかどうかは何ともいえないのですが、拙宅の場合、明らかに低域のクオリティが向上しました。プリによってウーファーのコントロールがこうも変わってくるとは意外でした。面白いものですね。
    そねさん様からのレビューや感想も期待しております。またよろしくお願いします。

  3. by上奉書屋 at2008-06-27 00:25

    はじめまして、PIEGAのCL90Xを購入を考えている者ですが、お教えいただきたいことがあり、書き込ませていただきます。当方、ECMのコレクターでメインソースはECMを中心としたヨーロピアンジャズです。音量は中等度で18畳ほどの部屋で鳴らしています。CL90Xにどのようなパワーアンプをあてようかと思案に暮れています。モノラルパワーで活気があり、なおかつノイズが低く、発熱がさほど大きくはないものを考えています。A30をデュアルモノラルかブリッジで使う、ジェフのModel201や501を使うなどいろいろ考えていますが、よくわかりません。A45を使われているようですが、TC70Xではいかがですか?

  4. byキングジョー at2008-06-30 23:35

    初めまして。最近更新・チェックを全く怠っており、このメッセージにもすぐ気付けませんでした。申し訳ありません。

    せっかく質問していただいたのですが、残念ながら既にいいモノをお使いの上奉書屋さんに対して大して有意義な情報提供ができるとも思えません。
    という理由は、この部屋で本格的に鳴らしたシステムはA-45+TC70Xが初めて、かつ唯一のものであるということです。責任を持った他機種との比較が私にはできないのです。
    また私がA-45を採用したのは、①ベラネックの式で算出した必要最大限ギリギリのW数が出るもの、②国産、③A級、④3Ω台のインピーダンスSPの駆動をカタログ的に保証するもの、の四条件を満たすものとなるとA-45がぴったりだったというわけでして、決してシビアに音色等を他と比較して選んだわけではないということもあります。TC70Xについても一目ぼれに近い選択ですしね。

    それをふまえてあえて言うならば、個人的にA-45+TC70Xの組み合わせには満足していますが、厳しくみるならば、低域の懐の深さというのはもっと向上の余地があるかな、という感じはします。もっとズ~ンとくる低音の存在感が欲しい時がありますね。コンサートに行ったりすると、贅沢ですがやはりそこは感じてしまいます。
    ただこれはそもそもウーファーの再生能もあるし、定在派の影響も明らかなので、アンプだけの問題とは言い切れないようにも思います。反面、音像の描出能力については惚れぼれするものがあります。良くも悪くも「お行儀のいい」感じではないでしょうか。

    ただ上奉書屋さんの好みを自分なりに考慮してみると、アキュとの組み合わせは悪くないのではないかと思います。音の実在感や生々しさを最優先する方向ではないように見えるので。
    Jeff Rowlandのデザインとのマッチングには涎が出そうですけどね。実はJeffは私も迷いました。だってカッコいいもの(笑)PIEGAのデザインに惚れる者は、高確率でJeffにも惹かれそうな気が・・・。

  5. by上奉書屋 at2008-07-13 23:10

    お返事をいただきまことに嬉しく思います。お忙しいのだろうと思い気長にお待ちしておりました。私こそ、忙しく、チェックを怠っており、まことに申し訳ありません。そうこうするうちに、CL90Xが私の部屋にやってきました。今はゴールドムンドのSR MONO(2オームから8オームで250W)で鳴らしています。CL90Xは仕上げといい、音といい素晴らしいスピーカーですね。料理でもお菓子でも酒でも最高級のモノは味だけでなく、素晴らしい香りがするものだといいますが、このスピーカーからはなにか素敵な香りがするような気がします。説明書を読むと250W以上の出力のパワーアンプでスピーカーを飛ばしても知らんよ、みたいなことが書かれていて気になります。そうするとかなりアンプは限定されてきます。富豪であればSoulution710やグラスマスターSD2がいいのかもしれませんが、高いアンプが必ずしもいいとは限りませんし。アキュフェーズA30のBTL使いを試聴しましたが、なんとBTLのモノラル使いは、ローレベルの繊細さでA30の単体に負けるようです。ジェフのModel201についてはパワーがむしろありすぎかもしれません。メーカーの人からはOCTAVEのMRE130を薦められましたが、これは過去に試聴済みでやや野蛮な印象があり敬遠したいところです。しばらくはこのままでいいと思っています。。
    なおA-45は(ステレオアンプの中では)このスピーカーについて非常によい選択肢であることが調査でわかりました。
    スピーカーの馴らし運転をすすめつつ、アンプは気長に決めていこうと思います。アドバイスありがとうございました。
    追伸:またワイヤリングはメーカー推奨のOPUS1のバイワイヤが良さそうです。

  6. byキングジョー at2008-07-15 00:56

    CL90X導入おめでとうございます。PIEGAにおいて、C40とCL90Xは双頭フラッグシップということになるのでしょうか。何にせようらやましいことです。
    PIEGAの場合、無駄をそぎ落としたような機能美と感覚的な美感が両立しているところがデザインとしていいですよね。思う存分お楽しみください。

    OPUS1はフューレンに価格等の相談もし、導入を決意してはいるんですが、予算の優先順位を決めるきっかけがもてず、何となくそのままになっています。また入手したらご報告します。では。

  7. by上奉書屋 at2008-09-06 23:51

    最近OPUS1のバイワイヤ1mを導入しましたので、参考までにインプレをさせていただきます。見かけは地味な感じの、しなやかなケーブルです。外皮はゴムのような素材で黒です。質感はカルダスのゴールデンリファレンスなどに近いです。端子はYラグで、太い端子にも細い端子にも対応するタイプです。とりあえず接続して100時間ほど使ってから、本格的に試聴しました。まず全体にオーソドックスなピラミッド型のバランスが感じられます。安定感のあるサウンドです。解像度の高さやスピード感、定位感の良さはありますが、どこか突出したキャラクターはないです。驚いたのはいままで、わずかに感じられていた高域のサラサラした感じ、いわゆるリボン臭さが完全になくなりました。C2はリボン臭さは極小ですが、長い間の試聴でよく聞くとわかるようになっていましたが、これが消えました。また、バイワイヤのせいか低域はさらに伸びてきました。見かけと同じくとてもオーソドックスな音のケーブルですが、PIEGAのスピーカーと合わせることを前提に音づくりしているかもしれないので、他のスピーカーに使ってもそうなるのか、イマイチ自信がないです。不思議ですが、とにかく、これを使うと心理的にとても落ち着く感じがします。カルダス、キンバーセレクト、トランスペアレントと試しましたが、安心して使えるのはこのOPUS1のみです。他は座りが悪いというか、音は強力なのですが無理やり自分のキャラを押し付けるようなところがあります。これはC2つきのPIEGAを使っている人みなさんにお薦めします。それでは。

  8. byキングジョー at2008-09-10 02:18

    >上奉書屋さん

    お久しぶりです。PIEGAの高級機種は内部配線にもOPUS1を使っているようで、相性は極めてよいのでしょう。もともと導入するつもりではいましたが、レポをお聞きするとその気持が高まります。音の傾向にも大変魅惑を感じますね。OPUS1のレポなんて他では見ないので、大変ありがたいです。これからもお気づきの点があれば是非書き込みお願いします。

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【SPEC】●形式:3ウェイシステム、フロアスタンディングスピーカー ●ユニット:18cmMOM(R)ウーファー×2、C2同軸リボン×1 ●推奨アンプ出力:20〜250W ●能率:92dB/W/m ●インピーダンス:4Ω ●再生周波数特性:28Hz〜50kHz ●クロスオーバー周波数:550Hz/3.5kHz ●外径寸法:260W×1020H×290Dmm ●質量:35kg ●仕上げ:ポリッシュドアルミニウム