上奉書屋
上奉書屋
東京都在住のオーディオマニアです。リビングオーディオです。狭いスペースを与えられてやっています。MPS-5,Marklevinson No32Lなどを愛用中。クラシックはほとんど聞かず、ポップス、ラッ…

マイルーム

マイルームは公開されていません

日記

お気に入り製品

お気に入り製品はありません

レビュー/コメント

AC LANDA
JORMA DESIGN
AC LANDA
¥136,500(税込)
発売:2009年5月1日
製品DBで詳細を見る
この製品にレビュー/コメントを書く
ほかのユーザーの登録・投稿を見る

JORMA DESIGN AC LANDA

Jorma AC LANDAの私的レビュー

最近なにかと話題のAC LANDA(ランダ=大地)電源ケーブルである。
このケーブルはヨルマの社長のコスキさんの監修のもと、
PSEの規格に合うように日本で生産されたケーブルと聞く。
私は現在、プリとパワーに1mものを合計3本使っている。
一応、ヘビーユーザーと言えるであろう。
いままで随分とケーブル道楽をしてきたつもりなので、
このAC LANDAの音を他の電源ケーブルと比較しながらインプレしてみたい。

外観:
線体自体はしなやかで取り回しは最高レベルである。
線体自体は極太ではなく、ふつうの太さ(径15mmほど)であり、
黒い網掛け被覆がなされている。
重さは普通であり、超高級ケーブルによくある、ズッシリくるタイプではない。
また。BMIのように見かけを裏切るほど、軽くもない。
プラグのブレードの色は赤銅色であり、メッキなしである。
作為のなさの表れか。
ブレードの色を除けばごく普通の電源ケーブルである。

音質:
いい意味で、ほとんどつかみどころがない。
十分にエージングして聞くと、
正直このケーブルから電源を取っているという意識はなくなってくる。
このケーブルは、それ自体の固有の音質というものは、極小である。
どんなケーブルも、どこかに強調された力点のようなものが必ずあるもので、
それは高価になればなるほど、巧妙に、かつ豪華にこそなれ、分かるものである。
このケーブルはそれが極小である。
私の体験した電源ケーブルの中で一番透明なものである。
強さも弱々しさも感じない。
あえて言えば、わずかな瑞々しさを中域に感じることがある。
しかし、これは主にエージング中に感じたことであり、
電源を入れっぱなしで半年以上たった今では全然分からなくなった。
もちろん、私の耳が慣れたせいもあるはずである。
しかし、以前使っていた、MITやACデザイン、トランスペアレント、
エソテリックなどでは何年経ってもクセはクセとして聞こえていた。
AC LANDAみたいなケーブルを、自然な音のケーブルというのだろうか。
兎に角、ケーブル固有のクセが少ないため、アンプの音が素直に出る。
このためには、電源ケーブルというものは、
ワイドレンジで、生音に近い立ち上がり、立下り(早すぎても遅すぎてもいけない)、
やり過ぎない程度の「自然な」丁度良い解像度を持たなけりゃいけないように思う。
このケーブルはこの用件を満たしているのであろう。
したがって、他の高級ケーブルと一対一で比べると、
いわば「負けやすい」ケーブルである。
ケーブルのクセがリスナーのツボにハマるとか、
つなぐ機器のクセとケーブルのクセが、うまくマッチするとかいうことがないからである。
こうなると積極的にAC LANDAを評価する気になかなかならない人もいるであろう。

私の場合、電源ケーブルで、システムの味付けをしていた時期があったが、
そのうち、自分のその小賢しさに食傷気味になっていった。
ケーブルで確かに音が変わるのだが、根本的な変化ではないのである。
飽きてしまえば、また違う味付けを探し始めるわけである。
そろそろ、そういう探索に終止符を打ちたくなったのだ。

AC LANDAは確かに味付けが少ない。
これでケーブルの旅が終わりになるなどと、
甘い考えを持っているわけではないが、
いままでより長く付き合えそうな気がする電源ケーブルではある。

比較:
AC LANDAと他の電源ケーブルを比較することは、
実はただその比較対照の電源ケーブルの特徴について述べるだけになりそうである。
それほどAC LANDAにはクセが少ない。

MIT ORACLE AC1
ボックスつきのケーブルで、一世を風靡したものである。
低域の解像度が高く、躍動感があり、非常に力強い。
スピーカーがブンブンいう感じであり、非常に印象に残りやすい。
これと比べるとAC LANDAは印象が薄い。
しかし、高域の素直な延び方や中域の細やかさでは
AC LANDAの方に軍配が上がる。
飽きが来ないのは間違いなくAC LANDAの方である。

AC デザイン Conclusion1.4
かつて使っていた長野県の銀製ケーブルである。
今でもヤフオクで時々見る。
非常に繊細でワイドレンジなケーブルであり、
銀特有の高域の煌びやかさ、やや低い温度感は印象に残る。
スケールも十分大きい。
AC LANDAといい勝負であるが、
高域の色づけの少なさはAC LANDAの方が上。
やはり銀導体であることはどうしても響いてくる。

PAD Dominus AC
非常に太く重く、取り回しの悪いケーブルである。
瑞々しく、濃密で色気たっぷり、カラフルな世界に包まれる、
特効薬的なケーブルである。特に女性ボーカルが深く甘い。
凄いケーブルなのだが、方向性がはっきりしすぎており、
この傾向に飽きたらお仕舞いである。
まさに味付け用のケーブルであった。
AC LANDAとは対極に位置するものと言える。

Esoteric 8N-PC8100
太くて固いケーブルで非常に高価でもある。
これは巷で言われているとおり、CDプレーヤーに挿すべき電源ケーブルである。
このケーブルの威力は凄まじく、
全帯域にエネルギーが満ち溢れるようになり、質感はソリッドになり、立体感が増す。
特に演奏の非常に細かいニュアンスが手に取るように分かるようになる。
2mモノは1.5mモノよりもさらに高度な次元に連れて行ってくれる。
プレーヤーの値段が二倍以上になったような変化がある。
また、エソテリックのメカをつかったプレーヤーでよくマッチする。
これもAC LANDAとは違う目的、
CDプレーヤーによるシステムの全面的な底上げに使えるものである。

トランスペアレントPLMM
紡錘型の謎箱がついたしなやかなケーブルである。
MITとちがって謎箱は邪魔にならない。
この中には抵抗が一つ入っているだけだという噂であるが、本当だろうか。
開けてみた事はない。
非常におとなしい音であり、全ての楽器、音どうしの関係が整理されて出てくる。
冷静で論理的な音である。定位などは抜群に良い。
しかしハジけた曲がハジけないで、穏やかになりすぎるのは困る気もした。
AC LANDAにはこのような曲を選ぶ傾向は全くない。

NBS ブラックラベルAC
深く沈む低域、濃厚な存在感を持つ中域、
派手さを押さえたような少し固めの高域。
陰影豊かでコントラストが実に克明である。
超高解像度と低域の強さを背景に、
ダークなジャズをHi-Fiに楽しむのに向いている。
これもはっきりとした音の方向性を持つ電源ケーブルであり、
それを理解して使用すべきと思う。エージングにも時間がかかるし、
硬くて重たいので取り回しは最悪に近い。
あらゆる意味でAC LANDAとは異なるケーブルである。

BMI ハンマーヘッドゴールドMK4
極太だが非常にしなやかで軽く取り回しがよい。
音質がAC LANDAに近いケーブルであり、とてもクセが少ない。
ただ、音の質感は柔らかさに傾くのと、
やはり若干バタ臭いというか中域にわずかに濃厚な味わいはある。
AC LANDAは中域で透明感が高い。
そうはいってもこのハンマーヘッド、ハマる人はいるかもしれない。
全帯域での解像度も文句なしで、かなりワイドレンジで自然である。
また線体が立派なので凄いケーブルを所有したという満足感も
AC LANDAよりはあるかもしれない。
私は、このケーブルに純粋さというよりは、
非常に高度な音作り、いわば辻ツマ合わせを感じた。
シンプルかつストレートにこの音質が出ているのではなく、
いろいろな素材の組み合わせで巧妙に音を作っているのであろう。
AC LANDAで聞こえる純粋さは、このケーブルにはないような気がした。
またこのケーブルは空間性が優先されている。
太くて軽いケーブルは、サウンドステージの広がりが好ましい反面、
実体感が後退する感がある。
実に微妙な選択であったが、BMI ハンマーヘッドゴールドは売却した。

STEALTH Dreamプリ用
これは太くて軽い電源ケーブルの代表格である。
サウンドステージの広がりが凄まじい。
まさに見渡す限り音また音となる。
しかし、実体感は明らかに薄くなり、
しなやかで軟らかい質感にシフトする。
解像度は高く、細部の描写に抜かりはないが、
このシナヤワな感じが好き嫌いを分けるであろう。
AC LANDAは空間性を追求するケーブルではなく、
むしろ一音一音を丁寧に存在感豊かに描く。

アコースティックリヴァイブ Power MAXⅡ
外見はAC LANDAとあまり変わらないが、線体はやや固い。
やや強い音の輪郭と音どうしの分離感がしっかりしており、
質実剛健な音である。
聞こえるべきものがはっきり、分かりやすく聞こえる。
音の細部は生々しいので自然な感じなのだが、
なぜかAC LANDAほど余裕をもって楽しめない。
どこかマジメさが前面に出ていて、
聞く方も心なしか真面目に聞いてしまう。
また、逆になにか突き抜けた音の特徴が欲しくなる瞬間もあった。

ORB Kurenai
コネクターに赤い漆を塗ったPower MAXⅡという感じの外観である。
音もPower MAXⅡと基本は似たケーブルだと思うが、
もっと華やかでアトラクティブである。
音の輪郭がはっきりと出ていながら、
その音のカラー、音楽の中での動きがリスナーに伝わりやすい。
基本はPower MAXⅡと同じく生真面目な音で格調も高いのだが、
そのサウンドの端々に音楽のパッションが伝わる部分も持っている。
その一方でナチュラルで生々しい描写は若干、陰を潜める。
AC LANDAは音楽の感情的な部分における表現の幅の広さと
一音一音の自然な存在感がバランスしている。

K’s racing Device1
基本的に通販のみで手に入るケーブルである。
二本の太いケーブルを銀色の被覆で束ねたような、しなやかなケーブルである。
エレクトラグライドのエピファニーというケーブルにそっくりであるが、
中身は違うそうである。
音のキレ、ヌケという点では右に出るものがないケーブルであり、
解像度の高さや、すがすがしいサウンドステージの広さも際立っている。
それでいて音の実在感は明快。
しかもその輪郭はキツ過ぎず、軟らか過ぎずとなかなか得がたいものである。
音質的特長はこれでもかと盛り込まれており、
総じて文句はないのだが、さて色づけはないかというと、それは違う。
むしろ、システムにキレ、ヌケを積極的に加味したいときに使うべきである。
全体的な完成度は高く、他では代え難い能力があるケーブルであり、
理解して使えばシステム全体の完成度をさらに高めてくれる。
しかし、複数本使うと、音が煩くなる感じはあった。
SNを高める印象はない。
AC LANDAはこのケーブルほどの能力はないが、
複数本使っても副作用はない。

追記
ヨルマが本国で売っている、PSE規格のシバリなしの電源ケーブルを
聴いた人の話を聞いたことがある。
本当にチョイ聴きであったらしいが、
印象は日本製のAC LANDAと瓜二つであったそうな。
コスキさんの監修は一貫しているらしい。

さらに追伸:
最近さらにエイジングが進み音は非常に安定してきた。
中高域に若干の潤いのような艶が出てきて、
それからもう随分たつが、そのまま変化はない。
結局このケーブルも色づけは完全にゼロというわけでない。
そんなケーブルはもともとないのかもしれないし、
これは人間の感覚の深い部分の問題なのかもしれない。

レス一覧

  1. by葉隠 at2009-11-29 12:25

    はじめまして、上奏さん
    ヨルマのACランダは、やはりヨルマらしい癖のないケーブルなんですね。方向性の問題があって所有はしていませんが、今後の検討製品とさせていただきます。
    他にもいろいろと知らない電源ケーブルのレビューが載っていて非常に参考になりました。

    ヨルマ・プライムのケーブルもお持ちのようで、ケーブルへの造詣の深さはすごいですね。
    所有の機器もプレイバックやら、噂の高いレビンソンの32Lやら名機揃いで、こだわりの強さが伝わってきます。
    今後もレビュー期待しています。

  2. by上奉書屋 at2009-11-29 15:25

    ヨルマ プライムの格の高さと比べるとLANDAはそれほどでもないですね。やはり別格かと思います。値段も別格ですが。

  3. by上奉書屋 at2009-12-04 23:19

    お読みいただきありがとうございます。
    AC LANDAが貴殿の好みに合うとよいのですが。
    ぜひ借りて聞いてみてください。

  4. by上奉書屋 at2009-12-05 00:19

    taka002さんはお若いのにA65やG2000などハイエンドな機器をお持ちですね。北海道はあまりハイエンドオーディオを扱っている店もなく、実際の試聴の機会も少ないと思うのですが、よくぞここまで、と思います。これからのシステムの発展が楽しみですね。
    ヘッドホンオーディオをやっておられるようですが、
    私もすごく興味があります。
    Phile WEBにデータがなさそうなので、載せる予定がまだないのですが、バランス駆動のDenon AH-D7000などを深夜に楽しんでいます。
    面白い話があったら教えてください。
    これからもよろしくお願いします。

  5. by上奉書屋 at2009-12-05 00:21

    かにぬー様
    読んでいただきありがとうございます。
    JPSのカプトベター!
    今もあこがれのケーブルのひとつです。
    コネクターが小さいので、
    短期間だけですが試用していたKLIMX DSのために
    懸命に探していたケーブルです。
    懐のさびしい時に、きまってオークションに出てきたりして。
    羨ましいです。
    実は貴殿のブログは大変に参考にさせていただいた経験があり、
    ご本人にお越しいただき感激です。
    電源ケーブルの変遷が実に面白く、ケーブル選びのうえでとても影響を受けました。
    これからも面白いお話を聞かせてください。

レスを書く

レスするにはログインする必要があります。
ログインする

【SPEC】●1.5mは¥189,000 ※0.5m追加ごとに¥52,500UP