1996年発売の初代から5世代目となるAccuphaseの波形整形型クリーン電源です。
技術担当の方曰く、前モデルからの大きな変更点として、初代の開発以来20数年振りに基準波形が更新されたそうです。
機器選定の検討当初はネット上の評判や大は小を兼ねるだろうという考えのもとPS-1230の購入を予定していました。
確かに同メーカーであるアキュフェーズE-650ではやはり供給能力に余裕がある為か圧倒的にPS-1230の方が低音部の沈み込みや響きも豊かでSNも高い。ところが組み合わせをラックスL-590AXIIに変えてみると驚いた事に何度聴き比べてもPS-530の方が過渡特性がよいのか、力で低音が強調されて聴こえるPS-1230に比して圧倒的に出音のリアリティが高い!
ということで我が家にPS-530がやってきました。
ちなみにL-590AXIIはA級と言えども皮相電力はそこまで高くありません(カタログ値でmax413VA)。そこでノイズをばら撒きそうなネットワークトランスポート以外については、前段に限らずアンプまでの全ての電力を一律本機から供給することにしました(その状態で全機器の電源を入れて再生状態にしても実測で350VA弱)。
本機を導入しての感想ですが、聴感上はクリーン電源全般でよく耳にする音痩せや鈍りも無く、むしろ緊張感を伴う事なく瞬発力が高まり、より精緻で実体感ある出音へと変化しました。
具体的には、ラックスを選んだ理由である自然な倍音と残響の豊かさは維持しながら、基音がよりシャープになる事で余分な付帯音が削ぎ落とされ演奏のリアリティが増すという、まさかのラックスとアキュフェーズの相乗効果!
特にレコードで聴くチェンバロなんて本当にゾクゾク(≧∀≦)素晴らしいマリアージュの発見に驚きです。
ちなみにクリーン電源という製品の特性上、各家庭の電源環境によって効果の程は千差万別であり、かつ当然の如く決してこれ一つで電源周りの悩みが全て解決などという夢の特効薬でもありません。
しかしその点を踏まえても、アキュフェーズをお使いの方は勿論、特にラックスをお使いの方でより実体感のある出音を求められる方にとっては選択肢の一つとして是非とも一聴をおすすめしたい製品です。