LUXMAN
ES-1200
¥609,000(税込)
発売:2016年10月下旬
電源の重要性
オーディオをはじめて間もない初心者ですが、当初、電源ケーブルに拘る方の気持ちが理解できませんでした。
電源ケーブルで音など変わるのかと懐疑的でしたが、所有していたエソテリックのI-03の電源ケーブルを良質なアキュフェーズAPL-1に変えたところ、音がよりダイナミックになりました。エソテリックの付属品がひどいものなので当然かもしれませんが。
ただ、電源ケーブルで音は変わるが、どのように変わるかを予測し、自らの好みの音にケーブルで持っていくのは至難で、買って取り付けなくてはどんな音になるのか、どんなふうに感じるのかは分からないというのが本当のところでしょう。
おそまきながら電源の重要性に気付いた私は、電源部の根治を目指し、本機を導入しました。アキュフェーズと迷いましたが、価格的にアキュフェーズは高かったのと、保証がラックスマンは7年あるのと、ラックスマンの銀色が私のシステムとマッチしたのが決め手でした。ラックスマンなら少なくともきちんとした電源を供給するだろうと信じていた面もあります。低価格の光城も考えましたが、歪率が高めであったし、音がおとなしくなるという意見も聞きましたので、見送りました。
システムに組み込むと非常にノイズ感がなくなり、声がクリアに出てきます。また、サ行のカサカサ感も抑えられました。非常に効果があるのですが、ノイズ感がなくなったということは音がまろやかになったということであり、躍動感も少し抑えられた気がします。しかし、躍動感の抑制もわずかに留められているとは思います。
一番の難点はリレーヒューズでしょう。ラックスマンの営業も自認していましたが、アキュフェーズのトランス方式は大電流に耐えられるという点で利点があります。ただ、音色はトランスに大きく左右されるので、アキュフェーズのクリーン電源につなぐとアキュフェーズの色が多少ついてしまう。そこで、なるべくクリーン電源由来の音をつけないように苦心したのがラックスマンのES-1200であったということです。そのかわり大電流に弱く、ひどいときには何も繋いでないのにクリーン電源自らの突入電流でリレーヒューズが作動するのには辟易しました。
第一世代なので改良の余地はまだまだありそうです。効果もアキュフェーズよりも弱いですが、アキュフェーズの色付けを避けたいならば有力候補になると思います。七年保証も安心ですし。
【SPEC】●定格出力容量:1,200VA(内部損失分を含む) ●入力電圧範囲/周波数:AC90V〜110V/50/60Hz ●出力電圧/周波数:AC100V(固定)/50/60Hz(入力周波数に同期) ●全高調波歪率:0.1%以下 ●外形寸法:440W×179H×415Dmm ●質量:17.5kg